ネガティブな性格の人は、自己肯定感を育てるのは難しいと思っていませんか?
実はそんなことはなく、むしろ幸福にも繋がるんです。
今回は、名門スタンフォード大学のオンラインハイスクール校長である
星友啓さんの書かれた「全米トップ校が教える自己肯定感の育て方」を参考にしています。
自信過剰になってナルシストになってしまうのは自己肯定感とは呼びません。
そして、自己肯定感は、年齢、性別、地位などに全く関係なく、
誰でも強化できるものだと言うことが脳科学などでも明らかになっています。
本書では、最新の脳科学の研究などからわかったメンタル強化術が詳しく解説されていますので
ぜひ一緒に最新のメンタル強化術を学び、自己肯定感を育てていきましょう。
全米トップ校が教える自己肯定感の育て方
自分の自己肯定感を知る
いきなりですが、自己肯定感を測定してみましょう。
次の⑴から⑽の質問を、強くそう思う/そう思う/そう思わない/強くそう思わない の
4つの選択肢から1つ選んでメモしていきましょう。
⑴ 私は自分自身に満足している
⑵ 時々自分を全くダメだと思うことがある
⑶ 私には結構長所があると感じている
⑷ 私は他の大半の人と同じ位に、物事がこなせる
⑸ 私には、誇れるものが大してないと感じる
⑹ 時々、自分は役に立たないと強く感じることがある
⑺ 自分は少なくとも他の人と同じ位価値のある人間だと感じている
⑻ 自分のことをもう少し尊敬できたらいいと思う
⑼ よく私は落ちこぼれだと思ってしまう
⑽ 私は自分のことを前向きに考えている
次に⑴から⑽の答えを採点していきましょう。
⑴⑶⑷⑺⑽は、強くそう思う…4点、そう思う…3点、そう思わない…2点、強くそう思わない…1点
⑵⑸⑹⑻⑼ は、強くそう思う…1点、そう思う…2点、そう思わない…3点、強くそう思わない…4点
採点が終わったら、全ての得点を足していきましょう。
21~29であれば自己肯定感が中間ゾーン、20以下は低いゾーン、30以上は高いゾーンです。
日本人の平均が25点くらいのようです。
自己肯定感といってもいろいろある
自分が思っていた意味での自己肯定感と、このテストで測った自己肯定感で
違う気がすると感じる人もいるかもしれません。
実際に、自己肯定感の定義を様々なものがあり、
いくつかの異なる様子から成り立つものだと考えられています。
例えば、先程実施したローゼンバーグさんという社会心理学者が考案した自尊心を図るための
有名なテストです。
そして自尊心というのは、自分に価値を感じる気持ちと、自分の能力への満足感などの
異なる自己満足感のように分けることができます。
つまり、自己肯定感の定義にはいろいろあるので、どれが正しい定義なのかとモヤモヤするのは
ごく自然なことです。
大事になってくるのが、数ある自己肯定感の定義の中から追い求めるべき自己肯定感がどれなのかを
見極めるようとする視点です。少し難しいですよね。
わかりやすく言うと、自己肯定感の中にも良い自己肯定感と注意が必要な自己肯定感がある
と言うことです。
つまり良い自己肯定感を入れようとするのが大事ということです。
外発的な報酬に要注意
先程説明した通り、自己肯定感にはいろいろありますが、多くの人が想像するのが、
成績や報酬などにも基づく自己肯定感です。
テストで良い点を取った、売上目標達成した、給料がupした、褒めてもらった。
このような業績や成績、他人との比較や高評価、お金やステータスは外発的な報酬と呼ばれています。
これは自分が勉強や仕事をすること自体で得られる内発的な満足感とは対照的に、
自分がやった勉強や仕事の結果についてくる、おまけの報酬です。
そして、外発的な報酬を得ることでポジティブな気分になり、自己肯定感が高まると言うわけです。
私たちは日々、いろいろな外発的な報酬の影響を受けながら、
気分が上がったり下がったりしているというのが実際のところです。
テストで良い点を取ったり、給料が上がったりすると自己肯定感が高まる気がしますよね。
この外発的な報酬に基づく自己肯定感には注意が必要です。
こういう自己肯定感と言うのは短期的には強いですが、
長期的に依存していると、心身ともに悪影響を及ぼすことがあるからです。
例えば、お金をステータス、見た目によって自己肯定感を感じている人は、
長期的には総合的自己肯定感が低くなりがちな傾向があり、うつや不安を抱えている
という研究結果があります。
さらに、精神面以外にも頭痛や肩こりなど、身体的健康に影響が出たり、友人、恋人、家族など
人間関係にも問題が出てくることが心理学的や医学の科学的視点からも確認されています。
だからこそ、外発的な報酬ばかりに頼って、自己肯定感を高める事は避けなければいけません。
求めるべき自己肯定感は、外発的な報酬からを育たないのです。
ネガティブな気持ちを抑え込まない
自己肯定感を高めるために、気をつけるべきことがもう一つあります。
それはネガティブな気持ちを無理やり押さえ込んだり無理に忘れようとすることです。
忘れたいような嫌なことが起きたとき、それを忘れようとしてもどうしても気になってしまう、
それどころか、その気持ちを抑え込もうとするほどネガティブな気持ちが強くなるはずです。
こんな経験、誰でもあると思います。
ネガティブな気持ちを無理矢理忘れようとすると、心だけでな体にも様々な影響が出ることが
わかっています。
例えば、ハーバード大学の研究で自分の気持ちを抑え込みがちな人は、
疾患による死亡リスクが30%高まってしまい、ガンになる確率も70%もあるという報告が
されています。
そもそもネガティブに考えるというのは、人間にとって必要な能力でもあるのです。
模擬試験で重要な問題を間違えて、落第点をとってしまいがっかりしたとします。
その後同じ間違いを繰り返さないように注意して本番テストでは合格することができました。
セールスに来た人がいい人そうなので、本当は信じたいけど疑い、
実際悪い予感は的中して詐欺に引っかからなくて済む。
こんなふうに私たちはネガティブな感じや思考のおかげで失敗を繰り返さなくて済んだり
より正しい決断ができたりするのです。
つまり、ネガティブ思考というのは、人間が生き抜く上で手に入れた大切な能力といえるでしょう。
求めるべき自己肯定感を育てるのに必要なのは、ネガティブな気持ちを認めた上で、
それとうまく付き合って行こうとする心構えということなのです。
ありのままの自分を受け入れる
ここまで業績やお金、他人との比較による外発的報酬に依存した自己肯定はダメなのと、
ネガティブな気持ちを無理に押え込むのはダメということをお伝えしました。
では求めるべき自己肯定感とはなにかですが、これは実は至ってシンプルです。
それは現実の自分をありがたく思う気持ち、心理学的にいうと、自己受容と自己価値です。
どちらもこれまでの心理学研究で、幸せや健康と深い関わりがあるとされ、
近年では脳科学的な基礎づけも進められています。
まず自己受容とは、ポジティブな自分もネガティブな自分もありのままの自分と受け入れることで、
なりたい自分より、その自分ではなく現実の自分をその受け入れる力のことです。
これまでの研究で自己受容ができる人は精神的に安定していて、幸福度が高く、
逆にそうでないとストレスが高く、うつ病のリスクも高まることがわかっています。
つまり、自分のネガティブな部分も現実として受け止める力が必要だということです。
臨床心理学で有名なカール・ロジャースさんが、自分の現在のありのままを受け入れる時、
自分が変わるという言葉を残しています
最近の研究でも、自己受容感の高い人は、ストレスマネジメントのトレーニングで、
メンタル強化の効果が格段に高いこと、病気や怪我の治療の効き目や体の回復スピードが
早いそうです。
つまり、自己受容感が高いと、自分の心も体も良い方向に変えていく力を持つことができる
ということです。
自己価値を見つける
求めるべき自己肯定感の2つ目は、自己受容をした上で、その自分に価値、つまり価値を
見つけることです。
仕事でミスをしてしまい落ち込んでたけど、明日からまた頑張ろう。
こんなふうに凹んでもすぐに立ち直れる自分のメンタルはありがたい、
まだまだ必要なスキルも身に付いてないし、成績も悪い。
でも将来の自分にちゃんと取り組んでいる自分が誇らしい。
こういう自分に対してありがたいと思ったり、誇らしく思う気持ちのことです。
そしてこれまでの心理学の研究によって自己肯定感を感じられないと、
うつ病や不安症になってしまうリスクが上がり、逆に自己価値を感じている人たちは、幸福感が高く、
ストレスにも耐えられるメンタルの強心の持ち主であることがわかっています。
さらに自己価値を感じていると、勉強の成績や仕事の業績も上がるという報告まであります。
ここまでの重要なポイントを整理すると
・求めるべき自己肯定感と言うのは、現実の自分をありがたく思う気持ち
・自己受容と、自己価値が基本要素
・自己受容も、自己価値も心と体に良いことづくめ
この点を踏まえて、次から自己受容と自己価値を身に付ける効果的な方法を、
最近の研究結果を踏まえて紹介していきます。
人に優しくすれば、自己肯定感が上がる
自己肯定感と言うのは、自分が周りから受け入れらていると感じると高くなり、
周りから受け入れられていないと感じると低くなるといわれています。
周りから受け入れられていると感じることができるようになるにはどうすればいいのか
ということがポイントになるのです。
これについて心理学の研究でわかった最も効果的な方法は、利他的マインドを持つことです。
わかりやすく言うと、人に対して優しい気持ちで親切な行動を取るようにすることが自己肯定感に
つながるということです。
なぜなら、優しさと言うのは周りに受け入れられるために重要な要素だからです。
これは当たり前に感じるかと思いますが、実際世界各国の文化比較で
優しくて相手を許容できることが、どこの文化圏でも最も好かれる性格だということが
科学的にも証明されています。
しかし、自分が人に優しくしたからといって、必ず相手に好かれるとは限らないですよね。
周りが実際にどう思うかは重要ではなく、重要なのは周りにどう思われているかについて、
自分がどう感じるかということです。
つまり、自分は周りに優しくしているから、多分受け入れられているだろうと自分が感じていればOKということです。
利他的マインドで周りに接することで、
周りから嫌われているかも、どう思われているんだろうという不安な気持ちが解消され、
自己肯定感が上がるというわけです。
ちなみに、この利他的マインドで自己肯定感が上がると言う理論は、研究によって証明されています。
人に優しくすることで、自己肯定感が上がるのです。
感謝の気持ちが自己肯定感を上げる
人に優しい利他的マインドとともに、自己肯定感をアップさせてくれるのが
周りの人たちの感謝の気持ちです。
実は、感謝の気持ちと私たちの健康は、深い関係があることが研究でわかっています。
近年心理学でも、感謝の気持ちは、最重要のトピックの1つとして研究され、
感謝の科学と呼ばれる人気研究分野になっています。
例えば、感謝の気持ちを持つことで体の炎症が少なくなったり、睡眠の質が良くなったり、
疲労も少なくなるなど、様々な良い影響が確認されています。
また、心の面でもうつ病や不安症のリスクを下げ、幸福感やポジティブな気持ちを向上させる効果が
あることも示されています。
そして、感謝の気持ちを持つことが、自己肯定感アップにつながることもわかってきています。
その根拠としては、感謝の気持ちを持つことで、他人からの目線を気にする気持ちが弱まること、
新しく人間関係を築こうと言う気持ちが増したり、良い人間関係が長続きすることなどが
挙げられています。
つまり、感謝の気持ちを持っていると、他の人の目が気にならなくなり、人間関係が改善する
ということです。
また、他の人に感謝すると言う事は、その相手が自分に何かしてくれたということ。
相手が自分に対して何かをしてあげようと思ってくれたということは、
それだけで価値を見出してくれたということでもあります。
つまり相手に感謝するということは、相手が見出してくれたであろう自分の価値を
認識することでもあるのです。
感謝の気持ちを持つことは、自分の価値を認識することにつながるわけです。
まとめ
・自分の自己肯定感を知る
・自己肯定感といってもいろいろある
・外発的な報酬に要注意
・ネガティブな気持ちを抑え込まない
・ありのままの自分を受け入れる
・自己価値を見つける
・人に優しくすれば自己肯定感が上がる
・感謝の気持ちが自己肯定感を上げる
非常に内容が濃い冊なので、他にも運動や瞑想によって自己肯定感をアップする方法などが説明されています。興味が湧いたらぜひ手に取ってみていただきたいです。
人に優しくしたり、感謝したりというのが自己肯定感につながるというのは驚きではないでしょうか。
私もこれからもっと意識して周りに優しくしたり、感謝する気持ちを忘れないように過ごしましょう。
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